ギターアンプには様々なツマミやスイッチが付いていて、それぞれに音色や音量などを変化させる機能があります。機能は同じでもメーカーによってツマミの名称が違うことがあるので、ちょっと覚えるのがややこしいです。
VOLUME、LEVEL(ヴォリューム、レベル)
音量を上げ下げする機能です。
どんなアンプにも付いています。
MASTER VOLUME(マスターボリューム)
アンプ全体の音量を調整します。
スイッチで2種類以上の音色を切り替える事が出来る大型のアンプに付いている機能です。
このツマミがついているアンプは、各チャンネルのボリュームツマミと、このマスターボリュームツマミの両方を上げないと音が鳴りません。
低音域から高音域まで、帯域を絞って増減させることが出来ます。
まず全て真ん中にし、(時計に見立てて12時の位置なんて言い方もします)
音を出してみて余計な所を削るように調整して行くといいです。
これらをイコライザー、EQといいます。
BASS, LOW(バス、ベース、ロー)
低音域を増減させます。
ズンズン、ボワボワする帯域です。
MIDDLE, MID(ミドル、ミッド)
中音域を増減させます。
バスよりも上、トレブルより下の帯域。
バンドアンサンブル全体ではギターは大体この帯域を担当します。
TREBLE, HIGH(トレブル、ハイ)
高音域を増減させます。
ミドルよりも上、プレゼンスよりも少し下の帯域です。
上げると音が明るく、下げると暗くこもっていきます。
PRESENCE(プレゼンス)
トレブルよりもっと上の超高音域を増減させます。
キラキラときらびやかな響きの部分です。
上げ過ぎると耳に痛いです。
小型のアンプによってはこれらイコライザーをTONE(トーン)として一つのツマミにまとめているものがあります。この場合は12時を中心と考え、右に回すほど高音域が強調され、左に回すほど高音域が削られます。
PRE AMP、GAIN、OVER DRIVE、DRIVE、DISTORTION(プリアンプ、ゲイン、オーバードライブ、ドライブ、ディストーション)
音を歪ませる機能です。
これが一番名称が多いので厄介です。
ロック系の曲で主に使われます。
音を歪ませると同時に音量も若干上がります。
REVERB(リバーブ)
音に残響を与えます。
大きなホールで音を出した時のような響きを再現する機能です。
深く掛けた音をウェットな(濡れた)音、掛かっていない音をドライな(乾いた)音なんて表現をします。
CHORUS(コーラス)
音に揺らぎや広がり感を与える効果があります。
歪ませず、リバーブと組み合わせると綺麗な響きになります。
歪みや残響、揺らぎなど音色を一切変化させない状態で鳴る音をクリーンサウンドと言います。
レッスン場所のスタジオイフさんで使用している定番アンプMarshallのJCM900を参考に、実際に音を出す際にどうセッティングするかをシミュレーションしてみましょう。
まず全てのツマミをゼロの状態にし、いきなり爆音が鳴らない状態にしてから、アンプ左端にあるPOWERと書かれた赤い主電源スイッチを入れます。
このような大型のアンプは内部に真空管が搭載されており、真空管が暖まるまで数十秒は音が出ないのでまずこのスイッチを先に入れておきます。
右のSTANDBYと書かれた(ほとんど消えてる😅)黒いスイッチは音を出す、出さないのスイッチです。ボリュームを操作しないでも音を切れるように付いています。
この二つのスイッチをオンにしないと音が出ません。
スイッチの間に書かれている0がオフ、1がオンという意味です。
次にギターのボリュームをゼロにした状態にして、シールドでギターとアンプと接続します。アンプ右端にあるINPUTという穴です。シールドは奥まで差し込まないと音が出ないのでギターにもアンプにもしっかり差し込みます。
ここからツマミを操作していきます。
まず、左の方にあるPUSH ON (CH. B)のボタンを見ます。
文字がかすれていて読みにくいですが、押し込んでオンにするとボタンが赤く光りチャンネルBに、オフにすると赤い光が消えチャンネルAになり、AとB二種類の音色を切り替える事が出来ます。
チャンネルAはクリーンサウンド、チャンネルBは歪みサウンドです。
ここではチャンネルAで音を作ってみましょう。
まずは音質を操作するツマミのイコライザーを全て真ん中12時の位置に合わせます。
このアンプは、PRESENCE(超高音域)、BASS(低音域)、MIDDLE(中音域)、TREBLE(高音域)の4つの帯域を調整する事が出来ます。
次に、右にあるPREAMP(CH.A)のGAINと書かれたツマミを上げます。
GAINは歪みの強さですが、クリーンサウンドを主に出すチャンネルAにしている場合マックスまで上げ切っても軽くしか歪みません。どれぐらいあげるかは曲調によります。
ポップスなら3時〜4時ぐらい、軽く歪ませるロックならマックスぐらいが目安です。
チャンネルAの歪みで足りなければ、より歪んだ音が作れるチャンネルBにPUSH ON (CH.B)を押して切り換えます。
ここでギターのボリュームをマックスまで上げ、次にアンプのボリューム、MASTER(CH.A)のVOLUMEツマミを少しずつ上げます。急に上げると爆音が鳴ってしまいますので弾きながら音を聴いて少しずつ上げていきます。
音が鳴ってきたらVOLUMEの右にあるREVERB(残響音)のツマミを少し上げて曲に馴染むようにします。ツマミは3時ぐらいが目安。
以上が簡単な音作りです。
この状態で軽く弾いてみて、高音が篭っているようでしたら低域を少し下げ、すっきりさせたり、歪みが強すぎ、弱すぎなら曲に合わせて微調整を行います。
アンプを消すときは全てのツマミをゼロに回しきって音が出ない状態にしてからアンプからシールドを抜きます。音が出る状態でシールドを抜くとバリッ!と大きなノイズが鳴ってしまうので、それを防ぐためです。
シールドを抜き終わったらアンプのSTANDBY(黒スイッチ)、POWER(赤スイッチ)の順に切ります。
起動時と逆の順番です。
ギターの音作りは最後は人それぞれの好みになります。
アンプのセッティングが難しい場合はこういった一例を参考にして、慣れてきたら「もっと歪ませたい!」など自分の好みの音になるよう自由にいじってみてください。