曲に合わせて、一定の間隔で手拍子を打ったり、足踏みをしたり、体を揺らしたりしてリズムを取ることができると思います。この一つ一つの刻みを「拍(はく)」と言い、拍を一定の数でまとめたものを「拍子(ひょうし)」と言います。
例えば、4つずつの拍をまとめたものは「4拍子」、3つずつなら「3拍子」と呼ばれます。ポップスやロックなど、日常で耳にする音楽の多くは4つの拍が繰り返される「4拍子」で作られています。
曲を聴きながら拍を取るとき、拍のサイクルの中で「1」がどこにあるのかを決めるのは、心理的なアクセントを感じるポイントです。この「心理的」という表現は少し曖昧に聞こえるかもしれませんが、例えば曲が始まる瞬間や、曲調が大きく変わる瞬間にそのアクセントを感じることが多いです。
このアクセントを感じるポイントを「強拍(きょうはく)」と言い、逆にアクセントを感じないポイントを「弱拍(じゃくはく)」と呼びます。また、強拍は「オモテ」、弱拍は「ウラ」と表現されることもあります。
楽譜の最初には、その曲が何拍子なのか、そしてどの音符を1拍の長さとするのかを示す記号が、分数のように表記されます。
上側に書かれる数字は「何拍子なのか」を表します。
たとえば、上側に「4」と書かれていれば、この曲は「4拍子」という意味です。
下側に書かれる数字は、「1拍の長さを何分音符で刻むか」を表します。
たとえば、下側に「4」と書かれていれば、1拍の長さは「四分音符1つ分」という意味になります。
四分音符で4回拍を刻んだら、そこで一区切りとして「1小節」とします。その後も同じように4拍ずつのサイクルを繰り返して進んでいきます。
このような拍子を「4分の4拍子」と呼びます。
下側の数字(1拍の長さ)は、通常「4(四分音符)」のほかに「2(二分音符)」「8(八分音符)」「16(十六分音符)」などが表記されることがあります。
一方、上側の数字(何拍子か)には特に制限がなく、どんな数字でも書くことができます。
曲の速さのことを「テンポ」と言います。
テンポは、一分間に刻む拍の数を数値で表し、BPM(Beats Per Minute)と呼ばれることもあります。
これは「四分音符が1分間に60回刻まれる速さ」を意味します。
一般的に、テンポは四分音符を基準にして考えられます。